ポケット型WiFi・モバイルWiFiが遅い時に考えられる全理由とその対策

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「ポケット型WiFi・モバイルWiFiの通信速度が遅い…」
「通信エリア内のはずなのに繋がらない…」
どこでもインターネットを利用できる便利なポケット型WiFiですが、通信速度が遅いと動画視聴中によく止まる、データのダウンロードに時間がかかるなど色々と不便ですよね…
そこでこの記事では、ポケット型WiFiの通信状況でお悩みの方に向けて、「ポケット型WiFiが遅い原因」と「遅い場合の対処法」について解説していきます。
ポケット型WiFiの通信速度が遅い、繋がらない場合、原因として考えられるのは大きく分けると5つ。まずはこの5つの原因について一緒に確認していきましょう!
ポケットWiFi(ポケットワイファイ)はソフトバンクの登録商標です
ポケットWiFi(ポケットワイファイ)は、ソフトバンクの登録商標ですが、近年は持ち運び可能なモバイルWi-Fiルーターを総称して「ポケットWiFi(ポケットワイファイ)」と呼ばれることが一般化しています。
当サイトでもこれまで一般化していた「ポケットWiFi」を使用して記事を作成してきましたが、ソフトバンク株式会社よりご指摘を受け、2022年4月からポケットWiFiの総称はポケット型WiFi・モバイルWiFiとして記載しています。
ポケット型WiFi・モバイルWiFiが遅い・繋がらない5つの原因!

ポケット型WiFi・モバイルWiFiが遅い、繋がらない場合、原因として考えられるのは主に以下の5点です。
ポケット型WiFiが遅い原因は?
※すぐにポイントを知りたい方は、上記の項目をクリックしてご確認ください。
※すぐにポイントを知りたい方は、上記の項目をタップしてご確認ください。
上記の原因への対策について、ポケット型WiFiの仕組みを知り尽くしている当サイトが1つずつ丁寧に解説していきます。
5つの原因のうちあなたに当てはまるものが既に分かるのであれば、上記の見出しをクリックすることで解説部分までスクロール可能です。是非ご活用ください。
遅い、繋がらない原因が分からない場合はこのまま下へお進みください。リストの上から順番に確認していくことで「自分のポケット型WiFiが遅い原因」が分かるはずです。
それでは早速見ていきましょう!
@ WiFiルーターに不具合が発生している時の改善策は?

ポケット型WiFiの速度が遅い場合、もしかするとお使いのポケット型WiFiルーターに不具合が発生している可能性があります。
ルーターに不具合が発生している時に試していただきたい対策は以下の3点です。
- WiFiルーターを再起動する
- PCやスマホを再起動する
- WiFiルーターをアップデートする
電池が取り出せるタイプのWiFiルーターを利用中であれば、電源を切った後に一度電池を脱着してから再起動するようにしましょう。さらに、WiFiルーターだけでなく接続しているスマホやパソコンも一度再起動することをおすすめします。
また、WiFiルーターによってはバージョンをアップデートすることによって、遅い状態が解消されるケースもあります。アップデートの方法はポケット型WiFiメーカーのホームページやプロバイダのホームページなどで確認してみましょう。
以上3点を試してみても速度の遅い状態が改善されない場合は、別の部分に原因がある可能性が高いです。残り4つの原因についてもあわせて確認することをおすすめします。
A 圏外(対応エリア外)にいる場合の対処法

ポケット型WiFiが遅い、繋がらないという場合、ポケット型WiFi回線の対応エリア外にいる場合があります。
ポケット型WiFiで利用している回線は以下の4つのいずれかです。
- docomo(ドコモ)
- au
- Softbank(ソフトバンク)
- WiMAX2+(ワイマックス)
どの回線も都市部はほぼ全域でカバーしていますが、郊外等で利用している場合にはエリア圏外となっている場所が増えます。 そのため、少し移動しただけでエリアから外れて繋がらなくなることも。
このような場合の対処法としては、まずはポケット型WiFiの公式ホームページでエリアを確認してみるのが良いでしょう。以下に関東地方の各社エリアマップをまとめているので、是非ご活用ください!

WiMAXの対応エリア:https://www.uqwimax.jp/wimax/area/

ソフトバンク(SoftBank)の対応エリア:https://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/?pref=13&device_type=601hw

ドコモ(docomo)の対応エリア:https://www.nttdocomo.co.jp/area/?icid=CRP_menu_to_CRP_AREA

auの対応エリア:http://www13.info-mapping.com/au/map/index.aspx?maptype=lte&code=13
また、エリア内に入っているのに通信速度が遅い、圏外になってしまう場合は、基地局が工事かメンテナンスを受けている可能性があります。
基地局とは簡単に言うと、電波を中継する施設です。基地局がそのエリア内へ向けて送信された電波を受け取り、それを受信する人に送ります。
都市部では同じエリアに基地局がいくつもあるケースが多いため、たとえ基地局の1基が工事中でも圏外になることはありません。 しかし、郊外等では基地局が1基しか無いエリアも多くあります。その基地局が工事中の場合、ポケット型WiFiが圏外になってしまう可能性もあるのです。
基地局の工事情報も、利用中のポケット型WiFiの公式HPに工事中等の情報がないか、確かめてみましょう。
B 障害物によって電波がさえぎられている場合の対策

続いては「障害物によって電波がさえぎられている場合」について対策を紹介します。
回線のエリア内に入っていて、基地局も正常に稼働している場合は、何らかの障害物によって電波がポケット型WiFiまで届いていない可能性があります。
このパターンが最も発生しやすいのがWiMAX。
実はポケット型WiFiは回線ごとに「障害物に対する強さ」が大きく異なります。docomo、au、Softbankが利用している「LTE回線」は障害物に強い性質を持っていますが、「WiMAX2+回線」は障害物に弱い性質があります。
なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?それは、LTEとWiMAXで利用している電波の周波数が異なるからです。
簡単に説明すると、LTE回線は障害物に強い700~900MHzという周波数(通称:プラチナバンド)を使っているのに対して、WiMAX2+回線の周波数は障害物に弱い2.5Ghz。

LTE回線で使われているプラチナバンドは、障害物があっても電波が回り込むため繋がりやすくなっています。
一方、WiMAXの電波は直線に進むため、電波が障害物にさえぎられてしまいます。そのため、特にWiMAXではビル等が密集しているエリアでは電波が弱くなり、通信速度が遅いことも多いのです。
障害物によって遅い時の対処法は?
障害物によって遅い・繋がらない際の対策の1つとしては、ポケット型WiFiを窓際に置くこと。家の中の壁やドア等も障害物となり、ポケット型WiFiが遅いこともあるためです。
また、WiMAXの場合「ハイスピードプラスエリアモード」を使うと改善されることも。実はWiMAXのルーターには、auのLTE回線も使用できるという特徴があります。
ハイスピードプラスエリアモードとは、WiMAX2+とauLTE、2つの回線を組み合わせて通信するモードです。このモードを使うことで、電波の届きにくい場所でも安定して利用できるようになります。
月間で7GBまでしか使えないという制約はありますが、WiMAXが遅い、繋がらないと感じたときは是非試してみてください。
C 電波干渉していてポケット型WiFiが遅いときの改善策

ポケット型WiFiが遅い時にもう1つ考えられることは、『電子機器どうしが電波干渉を起こしている』ということです。ここで重要になるのが、各電子機器が利用している周波数。
1つ前の章でも周波数についてお話しましたが、前章は「基地局とポケット型WiFiの通信」のお話です。一方ここでは「ポケット型WiFiとスマホなどの通信」についての話になります。以下の図をご覧いただくと分かりやすいかと思います。

さて、電子機器どうしで発生する電波干渉の話に戻りましょう。
ポケット型WiFiとスマホを無線で接続する際に使われる周波数は「2.4GHz」が主流となっています。
ですが、2.4Ghzを利用している電子機器は他にもたくさんあります。例えば、Bluetoothや電子レンジも2.4GHzの周波数帯を利用しています。
様々な電子機器が2.4GHzを使っていることで電波干渉が発生し、ポケット型WiFiの速度が遅いこともあるのです。
イメージしにくい方は、周波数帯を道路だと考えればわかりやすいでしょう。ポケット型WiFiもBluetoothも電子レンジも2.4GHzという道路を走る車だと考えてみて下さい。
同じ道路に多くの車がいれば渋滞を起こしますよね。2.4GHzを利用する電子機器も数が多ければ電波が混みあいます。その結果ポケット型WiFiの通信速度が遅い状態になってしまうこともあるのです。
電波干渉によって遅い時の対処法は?
電波干渉が発生して遅いと思われる時に試してほしい改善案が、「ポケット型WiFiの周波数帯を5GHzに切り替える」というもの。
近くで電子レンジが使用されていたり、Bluetoothを使用する機器がある場合には、周波数帯を変更することで電波干渉がなくなり繋がりやすくなるかもしれません。
ただし、5GHzにも弱点があり、「2.4GHzよりも障害物に弱い」という特徴があります。また、すべてのポケット型WiFiで5GHzが利用できるわけではなく、対応しているのはWiMAXなど一部のポケット型WiFiに限られます。
5GHz対応ポケット型WiFiで速度が遅いと感じたときは、是非試してみてください。
D 速度制限によって遅い場合はどうする?

最後に紹介するのが「速度制限」が発生して遅い場合についてです。
「電波もあるし、近くに電子レンジ等もない。でもポケット型WiFiが遅い!」このような時は速度制限に掛かっているかどうかチェックしてみましょう。
ポケット型WiFiには利用できる容量に制限があります。各社の容量と速度制限後の速度をまとめた表をご覧ください。
キャリア | 月間容量制限 | 通信制限後の速度 |
---|---|---|
Softbank | 50GB | 128Kbps |
NTTdocomo | 60GB | 128Kbps |
Y!mobile (通常プラン) |
7GB | 128Kbps |
Y!mobile (アドバンスオプション) |
制限なし(3日10GB) | 1Mbps |
WiMAX (通常プラン) |
7GB | 128Kbps |
WiMAX (ギガ放題プラン) |
制限なし(3日10GB) | 1Mbps |
WiMAXのギガ放題プランやワイモバイルのアドバンスオプションは『3日で10GBまで』、大手キャリアのポケット型WiFiやWiMAXの通常プランには『月間○○GB まで』という制限があり、これを超えて使用すると速度制限が適用されます。
制限に掛かった場合、3日で10GBまでのポケット型WiFiは速度が1Mbpsとなります。しかし、遅いと言っても1Mbpsあれば中画質の動画なら視聴可能。致命的に遅いというわけではありません。
また、速度制限は10GBを超過した翌日の夜間8時間のみとなります。
「3日で10GB」制限と解除の仕組み |
---|
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そのため、WiMAXやワイモバイルの速度制限は非常にゆるく「実質無制限」で利用できると言えます。
一方で、3大キャリアのポケット型WiFiが速度制限に掛かった場合は、スマホと同じ128Kbpsまで速度が落ちます。 経験のある方も多いと思いますが、本当に遅いですよね。
128kbpsでは、遅いどころかほとんど何もできないと言っても過言ではありません。yahooのトップページを開くのにも2分程掛かってしまいます。しかも、1度速度制限にかかると月末まで解除されません。
3大キャリアのポケット型WiFiで速度制限にかかった場合、対策としては「容量を追加で購入する」という方法があります。
1GBで1,000円程度かかってしまいますが、この方法を使うことで遅い状態からは解放されます。ただし、WiMAXの通常プラン(月間7GB)では容量を追加で購入できないので注意が必要です。
月間の容量に上限のあるポケット型WiFiを使っている方は「今どのくらい容量を使っているか」を把握しておくことをおすすめします。
【まとめ】改善しない場合はポケット型WiFiの買いかえも検討すべき!

ここまで、ポケット型WiFiが遅い場合の原因と対策について解説してきましたが、あなたのポケット型WiFiが遅い原因はわかりましたでしょうか?
最後に「全部読んだけど、どれにも当てはまらなかった」「どの対策も効果がなかった」という方に考えられる原因を2点お伝えします。
回線がパンクしている可能性がある
どの対策を試しても遅い状態が改善されない場合、利用している回線側が問題を抱えている可能性があります。
特に2020年はコロナウイルスによるテレワーク増加の影響で、ポケット型WiFiの需要が急激に増加。それに伴いデータ通信量も増加しパンクするポケット型WiFiも現れました。
例えば、「完全無制限」を掲げユーザーからの人気を集めていた「どんなときもWiFi」は2020年2月~4月にかけ回線がパンクし、大規模な通信障害が発生。現在では新規の受付を停止しています。
このように回線側の問題で速度が遅い場合、ユーザー側ではどうすることもできません。
唯一の解決策は「解約して別のポケット型WiFiに乗り換える」という方法ですが、契約期間中の解約は違約金が発生することもあるので慎重に判断するようにしましょう。
WiFiルーターが故障している可能性がある
今回お伝えした対策のいずれも効果がない場合は、ポケット型WiFiの故障も考えられます。その際には、ポケット型WiFi端末を買い換えるのも1つの手でしょう。
以上が、ポケット型WiFiの遅い状態が解消されない場合に考えられる可能性となります。
当サイトでは、ポケット型WiFiを総合的に徹底比較しております。買い替えをご検討の方は、是非こちらのページを参考にしてみてください。あなたに合ったポケット型WiFiが見つかるはずです。
ポケット型ワイファイの総合比較へ
Q&A ~よくある質問~

最後にポケット型WiFiが遅い時の対処法をQ&A方式で振り返っていきます。
ポケット型WiFiの速度が遅い原因は?
ポケット型WiFiの原因が遅い場合、原因としては「WiFiルーターに不具合が発生している」「圏外(対応エリア外)にいる」「障害物によって電波がさえぎられている」「電波干渉が発生している」「通信速度制限が発生している」などが考えられます。
WiFiルーターに不具合が発生した時の対処法は?
WiFiルーターに何らかの不具合が発生している場合、「WiFiルーターを再起動する」「PCやスマホを再起動する」「WiFiルーターをアップデートする」などの対処法を取ることで速度の遅い状態が解消されることがあります。
解消されない場合は、原因が他にあるかWiFiルーターが故障している可能性もあります。
解消されない場合は、原因が他にあるかWiFiルーターが故障している可能性もあります。
電波干渉はなぜ発生する?
ポケット型WiFiではスマホなどと通信するために2.4GHzという周波数の電波を利用しています。
この周波数は電子レンジやbluetoothなどでも使われているため、電子レンジなどの近くではポケット型WiFiの通信速度が遅くなることがあります。
この周波数は電子レンジやbluetoothなどでも使われているため、電子レンジなどの近くではポケット型WiFiの通信速度が遅くなることがあります。
速度制限が発生した場合の対処法は?
ドコモやソフトバンクなどのポケット型WiFiで月間の容量を使い切ると月末まで速度の遅い状態が続きます。
対処法は容量を追加で購入するしかありません。月間の通信容量に悩まされたくない方はWiMAXなどの月間容量に制限のないサービスに乗り換えるのも1つの方法です。
対処法は容量を追加で購入するしかありません。月間の通信容量に悩まされたくない方はWiMAXなどの月間容量に制限のないサービスに乗り換えるのも1つの方法です。
容量を使い切ってないのに速度制限がかかることもある?
回線側で通信障害などが発生していると、容量が残っているにも関わらず通信速度が極端に遅い状態になることがあります。
通信障害の情報は公式サイトなどで確認することができます。また、時間帯によって回線が混雑し速度が遅くなることもあります。
通信障害の情報は公式サイトなどで確認することができます。また、時間帯によって回線が混雑し速度が遅くなることもあります。
※ポケットWiFi(ポケットワイファイ)はソフトバンクの登録商標です。当サイトではソフトバンクのポケットWiFiを含むモバイルWi-Fiルーターの総称は「ポケット型WiFi・モバイルWiFi」として記載しています。