現在、ポケット型WiFiはdocomo・SoftBank・UQ WiMAX・楽天モバイルなど様々な会社がサービスを提供中です。
会社ごとはもちろんですが、端末ごとにも通信速度は異なります。ただし、公表されているのはあくまでも理論上の数値。実際の平均通信速度は違うので注意が必要です!
この記事を読んでただくことで、「公表値と実測値の違い」「最速のポケット型WiFi情報」など、ポケット型WiFiの速度についてご理解いただけます。
また、速度以外の通信エリア・データ容量・料金などの比較もしておりますので、新規契約や乗り換えを検討している方も、ぜひご覧ください。
さっそく、ポケット型WiFiの通信速度に関する基礎知識から見ていきましょう!
【目次】
【ポケット型WiFi・モバイルWiFi編】通信速度の基礎知識
ポケット型WiFi・モバイルWiFiの通信速度を比較する前に、知っておくべき項目を簡単に解説します。通信速度について詳しく知りたい方は一緒に見ていきましょう。
通信速度の単位「Mbps」についてさらに詳しく解説
通信速度を測る際の単位は、Mbps(Megabits Per Second)あるいはGbps(Gigabits Pers Second)です。(1Gbpsは1,000Mbpsに値します。)これは『1秒間でどれだけのデータを送信できるか』を示す数値のこと。数字が大きいほうが、平均通信速度は速くなります。
なお、このMbpsは『1秒間に○○MB送信できる』ということではありません。Mbpsのはビット(bit)、一方でMBのBはバイト(byte)と違う単位です。
8ビットを1つにくくったのが1バイト。卵12個が1ダースなのと同じようなことだと考えるとわかりやすいかも知れません。
『1Byte=8bit』のため、Mbpsの数字を8で割ると、1秒間にどれだけのデータを送信できるか計算できます。
仮に、速度が400Mbpsであれば、『400÷8=50』のため、1秒間に50MBのデータをやり取りできる通信速度という見方です。
少し難しく感じられた方もいるかも知れませんが、大事なポイントは『数字が大きいほど平均通信速度は速い』ことです。
次に、よく耳にする『上り』と『下り』について見ていきます。
上り・下り通信について
上りとはデータをアップロードする際の速度。LINEの送信やTwitter、Instagram、Facebook等の投稿をする際の速度が「上り」にあたります。速度が速ければ速いほど、送信や投稿に掛かる時間は短くなるのです。一方で「下り」とはデータをダウンロードする際の速度。ネットショッピングをしたり、動画を見る際のデータを読み込む速度を指します。下り速度が速いと動画などのコンテンツを、より快適に視聴可能です。
ここまでは速度数値の基礎知識を見てきました。次項では、ポケット型WiFi各社の速度を実際に比較していきましょう。
【UQWiMAX・ドコモ・ワイモバイル・楽天モバイル】速さで比較
ここではUQコミュニケーションズ(WiMAX)、ドコモ、ワイモバイル・楽天モバイルの4社の最新ポケット型WiFiの速度を比較します。
「なぜこの4社?auとソフトバンクは?」と思われる方もいるかも知れませんので、この4社で速度比較する理由を簡単に解説致します。
実は、auのポケット型WiFiはUQコミュニケーションズのポケット型WiFi(WIMAX)と全く同じもの。
そのため、速度も同じ結果になるのです。それと同様にワイモバイルもソフトバンクの通信網を使用しており、こちらも速度は同じ。
そのため、上記の4社で比較していきます。auやソフトバンクユーザーの方は、au=WiMAX、ソフトバンク=ワイモバイルで見て頂くとよいでしょう。
では表をご覧ください。各キャリアで最もスペックが高い機種の最大通信速度を比較した表となります。
キャリア | 下り最大通信速度 | 上り最大通信速度 |
---|---|---|
UQWiMAX (Speed Wi-Fi 5G X12) |
3.9Mbps | 183Mbps |
NTT docomo (SH-52B) |
4.2Gbps | 218Mbps |
Y!mobile (A102ZT) |
2.4Gbps | 110Mbps |
楽天モバイル (Rakuten Wifi Pocket 2C) |
150Mbps | 50Mbps |
特徴として、上り速度は下り速度と比べて非常に低速です。理由は、下り通信の機会が圧倒的に多いから。
下り速度を速くしたほうが多くのユーザーが快適にインターネットを利用できるため、下り速度のほうが速くなっています。
下り速度を見てみると、いずれのポケット型WiFiも1,000Mbps以上。理論上では、1秒間で125MBダウンロードできることになります。
映画1本の容量が約1.2GBなので、約10秒でダウンロードできる計算です。
しかし、この「最大通信速度」はあくまでも理論上の速度です。この速度が出ることはないと言っても過言ではありません。
そのため、速度を見る際に大切なのは『実際はどれくらい速いのか』を示す実効速度(実測値)となります。次項では、各社ポケットWiFiの実測値について解説します。
【測定したらもっと遅い?】ポケット型WiFiの実測値とは
ここでは、先ほど比較したUQWiMAX、ドコモ、ワイモバイル、楽天モバイルの実測値を一覧表で見ていきましょう。
キャリア | 下りの 実測値 |
上りの 実測値 |
---|---|---|
UQ WiMAX | 72.24Mbps | 8.81Mbps |
NTT docomo (ドコモ) |
51.382Mbps |
4.092Mbps |
Y!mobile (ワイモバイル) |
36.06Mbps | 10.504Mbps |
楽天モバイル (楽天) |
26.11Mbps | 20.1Mbps |
電波状況や置き場所(自宅・屋外など)によって速度は変化しますが、このように並べてみると、ドコモとUQ WiMAXの通信速度が抜きん出ていることがわかります。
「ポケット型WiFiの速度が速いのはどこ?」という疑問に対しては、ドコモとUQ WiMAXが回答となります。
しかし、通信専門メディアの当サイトは、速度だけでポケット型WiFiを選ぶことをおすすめしません。
理由は、それほどの速度は必要ないからです。日常で1番速度が求められるものはおそらく高画質動画ではないでしょうか。
しかし、HD画質(超高画質)の動画ですら、10Mbpsもあれば快適に視聴できると言われています。利用用途別で必要な通信速度の目安は以下のとおり。
利用場面 | 快適に利用するために必要な速度 |
---|---|
メール | 1Mbps |
Webサイト閲覧 | 2Mbps |
YouTube(360p) | 1Mbps |
YouTube(1080p) | 10Mbps |
オンラインゲーム | 20Mbps |
よほどの理由があって「どうしても速度が必要!」という方以外は、ポケット型WiFiを購入する際に速度をそこまで気にする必要はないでしょう。
ただしポケットWiFiは、無線電波をルーターで受信する性質上、通信速度が遅い場合があります。その対処方法を確認していきます。
速度が遅い原因と対処方法
この章では、ポケット型WiFi・モバイルWiFiを現在ご利用中の方に向けて、通信速度が遅い原因と対処方法を確認します。以下のとおりです。
通信速度が遅い原因と対処方法
- ルーターとデバイスの間に障害物あるため
- 回線が混雑や一時的なエラーが生じているため
- 電波が届きにくいエリアで利用しているため
ルーターとデバイスの間に障害物あるため
ポケット型WiFiのルーター(端末)とパソコンやスマートフォンなどのデバイスの間に障害物があることが遅い原因だと考えられます。障害物とは具体的に、壁・ビル・他のWiFiの電波などのことです。障害物によって通信速度が遅い場合の対処方法は以下の通りです。
周波数帯を切り替える
ポケット型WiFiでは、基本的に2.4GHzと5GHz帯の周波数帯を利用できます。つまり、2種類の電波が利用できるということ。2.4GHzと5GHzの特徴は以下のとおりです。ポイント
- 2.4GHz →障害物に強いので、電波が広範囲に届きやすい
- 5GHz →障害物に弱いが、速度が速い
ご覧の通り、障害物が原因で速度が遅い場合、周波数帯を2.4GHzに切り替えることで改善される可能性があります。
ルーターによっては1つの周波数帯しか利用できない場合もあります。その場合は、他の対処法を試してみましょう。
電波干渉しやすい機器を切る
電波干渉しやすい機器が近くにある場合、通信速度が遅くなる可能性があります。
電波干渉とは
同じ周波数帯を利用する機器同士の電波がぶつかり合うことで、接続が悪くなること。
同じ周波数帯を利用する機器同士の電波がぶつかり合うことで、接続が悪くなること。
つまり、同じ周波数帯を使う機器が近くにあると、通信速度が遅くなるのです。一般的にWiFiは、2.4GHz帯が使われています。WiFiと干渉する可能性がある2.4GHz帯が使われている機器は以下のとおり。
ポイント
- 電子レンジ
- ワイヤレスヘッドホン
- Bluetooth機器など
電波干渉が原因で通信速度が遅い場合は、一度2.4GHz帯を利用する機器の電源を切ってみましょう。
電波が届きやすい場所(窓際など)に設置する
屋内でポケット型WiFiの通信速度が遅い場合は、電波が届きやすい場所に移動するのも一つの手です。壁や家具などは障害物になり得るので、より電波を掴みやすい窓際などにポケット型WiFiを移動しましょう。回線が混雑や一時的なエラーが生じているため
続いては、回線の混雑や一時的なエラーによってポケット型WiFiの通信速度が遅い場合の対象方法を確認します。機器を再起動させる
ポケット型WiFiが遅い理由は、一時的なエラーが原因かもしれません。一度電源をオフにして、再度オンにしてデバイスに接続してみましょう。電池パックを取り外せる場合は、脱着するとより良いでしょう。
有線接続する
有線接続することで解決できるかもしれません。一部のポケット型WiFiでは、ルーター端末とデバイス(パソコン・スマートフォンなど)を有線で接続できます。有線接続は外部の影響を受けにくいので、より安定した通信速度で利用できます。無線がエラー・回線が混雑していると考えられる場合など、一度有線接続を試してみましょう。
電波が届きにくいエリアで利用しているため
そもそもポケット型WiFiの対応エリア外で利用している場合、電波が届きにくいです。対処方法を確認します。対応エリア内で利用する
田舎や山間部などの電波が届きにくいエリアでポケット型WiFiを利用している場合は、対応エリアで利用するしか解決方法がありません。契約前の方は、あらかじめ契約予定のポケット型WiFiの対応エリアについて確認しておきましょう。
ポケット型WiFiの速度に関して基礎知識はご理解いただけたでしょうか?ポケット型WiFiは遅いというイメージをお持ちの方は、上記の方法で改善する可能性もあります。
次項では、実際にポケット型WiFiを選ぶ際はどこに着目すればよいのか見ていきましょう。
おすすめポケット型WiFiの選び方
ここでは速度以外のポケット型WiFiを選ぶ要素を解説しきます。ポケット型WiFiを契約するうえで必見の情報なので、1つずつ見ていきましょう。
通信エリア
速度よりも大事なのが通信エリア。通信エリアに入っていないとそもそも通信ができません。そのため、あなたがポケット型WiFiを使う場所がエリア内かどうかを最優先で確認しましょう。通信エリアは各キャリアのホームページに記載されているので、契約前にご確認ください。
では実際にUQWiMAX、ドコモ、ワイモバイル、楽天モバイルの通信エリアを比較してみます。
各ポケットWiFiの人口カバー率は90%以上なので、大差はありません。ただ、楽天モバイルはエリア拡大途中なので、田舎や山間部ではやや繋がりにくいこともあります。
「契約したのに繋がらない」などのケースを避けるためにも、ポケット型WiFiを使用する場所がエリア内かどうかは事前に確認しておきましょう。
データ容量と速度制限で比較
ポケット型WiFi選びにおいてエリアと同じく重要なのが通信容量。一部のポケット型WiFiには通信容量がに上限があり、上限を超えると速度に制限がかかります。速度制限にかかってしまった場合、ヤフーのトップページを開くのでさえ2分掛かることも。動画を快適に見るのは困難でしょう。
ただし、通信容量の設定はキャリアごとで異なっています。例えば、1ヶ月に7GBまでしか使えないポケット型WiFiもあれば、1ヶ月100GB以上使えるポケット型WiFiもあります。
では、各社どれほどの容量が使えるのかUQWiMAX、ドコモ、ワイモバイル、楽天モバイルのデータ容量を確認してみましょう。
4種類のポケット型WiFiの
データ容量まとめ
対応エリア | 容量 | |
---|---|---|
WiMAX | ◎ かなり広い |
◎ 無制限 |
ドコモ | ◎ かなり広い |
◎ 無制限 |
ワイモバイル | ◎ かなり広い |
△ 3日で10GB |
楽天モバイル | ◎ かなり広い |
◎ 無制限※ |
上記4種類のポケットWiFiでは差がなく、データ通信量を無制限で利用できます。基本的に大手キャリアの回線は無制限で使えますが、制限があるサービスもあるため事前にしっかりと確認しておきましょう。
利用料金で比較
料金は各ポケット型WiFiによって大きく異なります。しかし、ポケット型WiFiの料金は必ずしも合理的ではありません。容量が月7GBで約5,000円することもあれば、無制限で使えて値段が3,000円前後の場合もあります。
しかも、ポケット型WiFiの料金体系は非常に複雑です。契約後の月額料金は時期によって大幅に変動することがあり、最初の1ヶ月だけ安く、その後は実は高くなることもあります。
さらに、ポケット型WiFi各社が実施しているキャンペーンによってもトータルコストは変わります。
このように、ただ価格の安いポケット型WiFiと言っても「本当に安いポケット型WiFi」を選ぶことは困難です。
ポケット型WiFiの契約を考えているのであれば、あらかじめ各社のトータルコストを確認しておくことが重要です。
では、実際にUQWiMAX、ドコモ、ワイモバイル、楽天モバイルの料金を確認してみましょう。
4種類のポケット型WiFiの
料金まとめ
実質月額料金※1 | 支払総額※2 | |
---|---|---|
WiMAX※2 | 4,107円 | 147,843円 |
ドコモ | 10,007円 | 360,255円 |
ワイモバイル | 5,206円 | 187,418円 |
楽天モバイル | 3,281円 | 78,745円 |
※2.端末の支払い回数が36回払いの会社が多いため3年で計算。楽天モバイルは2年間で計算しています。
※3.WiMAXには20社以上のプロバイダがありますが、最安の「カシモWiMAX」の料金で比較しています。
表をご覧のとおり、UQWiMAX、楽天モバイルの安さが目立ちます。無制限かつ通信速度に大きく差がなくても、月額料金には大きな差が出るので注意しましょう。
以上、おすすめのポケット型WiFiの選び方について解説しました。速度以外にも、ポケット型WiFiを選ぶポイントはありますので、今回の内容を参考にぜひ比較してみてください。
まとめ
当ページでは、ポケット型WiFiの通信速度に関する情報から、おすすめの選び方まで解説しました。
ポケット型WiFiを利用するうえでは、速度は非常に重要です。ですが、ポケットWiFiを選ぶ際には速度以外にも様々な条件を考慮する必要があります。
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当サイトは、通信業界を専門に比較しており、ポケット型WiFiの選び方にも精通しております。
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以下のページでは、現在最もおすすめのポケット型WiFiをランキング形式で紹介しているので、詳しく知りたい方はぜひこちらのボタンよりご覧ください。
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最後に、ポケット型WiFiの速度についてここまでお伝えした内容をQ&A形式で振り返っていきます。速度についての内容をもう一度振り返っておきたい方はぜひご覧ください!
ポケット型WiFiにおける通信速度の単位は?
ポケット型WiFiの通信速度でよく見られるのはMbps(Megabits Per Second)という単位です。これは、1秒間でどのくらいのデータ量を送信できるかを表す数値となっており、数値が高ければ高いほど、通信速度が速いことになります。
「上り速度」と「下り速度」は何が違う?
LINEの送信やSNSなどの投稿など、アップロード時の通信速度が「上り速度」。一方で、インターネットの閲覧や動画の視聴などダウンロード時の通信速度が「下り速度」です。「最大通信速度」とは?
最大通信速度とはポケット型WiFi各社が公表している「理論上の最高速度」となります。実際にこの速度が出ることはほぼありません。通信速度の表記は「ベストエフォート型」と呼ばれており、「最善(ベスト)の努力(エフォート)は尽くしますが品質は保証しません」というものです。そのため、各社ポケット型WiFiの実測値で比較することが重要となります。
実効速度(実測値)が最も速いポケット型WiFiは?
各社のホームページに記載されている実効速度(実測値)を比較すると、最も通信速度が速いのはドコモのポケット型WiFiです。ただし、計測時の環境や時間帯によって通信速度は大きく変わるため、いつでもどこでもドコモのポケット型WiFiが最速ではない点には注意が必要です。
ポケット型WiFiは速度で選ぶべきでない?
結論からお伝えすると、ポケット型WiFiを速度で選ぶことはおすすめしません。というのも、ネットを利用する上で必要になるのは10~20Mbps程度のため、どのポケット型WiFiを選んでも速度面で悩むことはあまりないからです。ポケット型WiFi選びでは速度よりも「通信エリア」「通信容量」「料金」を比較して選ぶことをおすすめします。
※ポケット型WiFi(ポケットワイファイ)はソフトバンクの登録商標です。当サイトではソフトバンクのポケット型WiFiを含むモバイルWi-Fiルーターの総称は「ポケット型WiFi・モバイルWiFi」として記載しています。